発足宣言

子どもたちを放射能から守る信州ネットワーク 発足宣言

 

私たちはつながる

東日本大震災、それに伴う原発事故からはや2年。放射能汚染の収束の目処は立っていないにもかかわらず、政府、マスコミの論調はすでに問題が片付いたかのようです。
全国に散らばる避難・転居者数は30万人以上。避難したくてもできない人が、まだたくさんいます。被災地の苦悩は、私たちの苦悩です。

 

私たちはつながる

放射能の汚染による健康被害の実態は誰にもわからず、目に見えない恐怖は、精神の底流で広がっています。子どもたちは今もなお、屋外で遊ぶ時間・場所の制限、食事の注意、原因の特定できない体調不良など、日々プレッシャーに晒されています。
震災後、私たちは長野県各地で保養キャンプを行いました。一時でも被災地を離れ、解放された子どもたちの笑顔、輝くいのち、自然と語らう姿は私たちの心に焼きついています。

 

私たちはつながる

子どもには、安心して健やかに成長する権利があり、大人にはそれを守る義務があります。
私たち長野県で行動する団体・個人は、被災地に住む人々と連携し、保養キャンプなどの支援を通じて広くつながっていきます。一人でも多くの子どもたちが長野県を訪れるように。子どもたちの希望あふれる笑顔のために。

「子どもたちを放射能から守る信州ネットワーク」の発足をここに宣言します。

2013年3月9日
長野県松本市にて

応援メッセージ

子ども信州ネット発足にあたり、応援メッセージをちょうだいいたしました。紙幅の関係上、抜粋して掲載いたします。

 

阿部 守一(長野県知事)

阿部長野県知事 東日本大震災、そして長野県は翌日栄村での地震があったわけですけれども、まだまだ復旧途中の段階です。長野県にも遠くから大勢の皆さんが避難されているという状況です。被災された皆さんには改めてお見舞いを申し上げたいと思いますし、ぜひ、県民全体で力を合わせて、被災された皆さんをしっかりと応援していきたいと思います。

 311の後、本当に色々な価値観が変わってきているという風に思っています。やはり、人と人とのきずなの大切さ、そうしたものを私達はもう一回認識しなおして、新しい社会を作っていく必要があると、そういう風に思っています。

 今回のこの子ども信州ネット、さまざまな団体が集まって、やはり子ども達の応援をしっかりしていこうという取り組みを私も賛同するものでありますし、またこの中核になっています日本チェルノブイリ連帯基金の皆さんには、本当に県政もさまざまな場面でご協力を頂いています。ぜひ皆さんの取り組みが県内にしっかりと根付いて広がって大勢の皆さんに協力を頂く中で被災者の支援、被災地の子どもたちを温かく応援する活動に広がっていくことを心から期待をします。

 ぜひ、大勢の皆さんのご協力とご支援をお願いしたいと思います。私も知事としてこれからも引き続き被災者の皆さま方の思いに寄り添った支援、全力を尽くして参りたいと思います。 

 

菅谷 昭(松本市長)

菅谷松本市長 軽度から中等度の汚染地域に住んでいるお子さんたちがこれから身体的な健康被害の発生、併せてメンタル、精神的な異常状態が今後出現してくるということが、私は非常に心配しています。これはチェルノブイリでもそういうことがあるわけです。子どもたちが汚染のないところに住んでもらいたい、ということが一番有効な方法なわけです。

 しかしそれがかなわない状況であれば、ひとつはチェルノブイリの子どもたちが保養したように、ある一定期間保養する、汚染のなくきれいなものを食べられるところに行く、なおかつそこで思いきり遊ぶとか、精神的な意味で重圧が取れます。それが無理であれば、次の形としてそこに住みながらもできるだけ内部被ばくを防ぐような方法を講じていくということが一番大事じゃないかと思います。国がやらなかったら、国民とか市民が動くしかないと思うんです。

 今回の試み、ネットを立ち上げるというのは非常にすばらしいことですから、ぜひとも多くの人がバックアップしてほしいし、それからまた企業さんとかいろんな団体もありますから、財政的なことも含めてぜひ応援してほしいと思っていますし、私ども行政もできるところはバックアップしていきたいと思っていますので、ぜひ頑張ってください。

 

鎌田 實(医師・NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金 理事長)

鎌田医師 この度、13団体が集まって、ネットワークを組み、情報交換をしながら、福島第一原発事故で被災した子ども達を守るために、保養を行うこと、とても大切なことだと思います。僕達は、チェルノブイリに22年間通い、原発事故に対して僕達が対処すべき3つのことを学びました。

 放射能の見える化、健康診断、保養です。汚染された地に住み続ける子ども達のストレス解消、放射能の低減化を図るのに、保養は必要です。単年で終わるのではなく、中・長期的に取り組まなくてはなりません。県行政や民間企業、市民が共に協力し合って、未来ある子ども達を守りましょう。